腰痛症例の体幹回旋はどのくらい低下するのか。

腰痛

こんばんは。

リハまっぷるです。

今回は、腰痛についてのお話です。

慢性的な腰痛(3ヶ月以上続く)を訴える方は25-74歳において約23%(存在すると言われています。

日常生活の多くに関与する腰椎の動きにおいて、

回旋を伴う腰椎の屈曲は、

腰痛の増悪や主たる原因であると言われています。

特に、

屈曲および伸展の最終域で

回旋と側屈が組み合わさると、

軟部組織が損傷するリスクが増大すると考えられています。

そのため、

腰痛症例は水平面における回旋が健常者より減少します。

そこで、

今回は、

体幹屈曲における腰椎の

ROMと速度と角速度を

直立位と体幹屈曲位にて測定し、

健常者と腰痛症例で比較した報告です。

50人の男性を対象とし、。

25名を非特異的腰痛群(NSCLBP群)、

25名をコントロール群としました。

測定項目は、

VAS、

ADLの障害に関する評価として

Rolland Morris disability questionnaire (RMQ)を測定しました。

腰椎の回旋に関するROM、速度、角速度は

wireless Industrial Lumbar Motion Monitor(iLMM)を用いて測定しました。

このiLMMは、

腰椎の軽量外骨格として機能する3軸エレクトロゴニオメーターです。

脊椎と一直線になるように対象の背中に直接配置され、骨盤および胸部にハーネスによって取り付けられます。

測定の動作は、

1)直立した状態から体幹を回旋

2)前方に最大限曲げた状態から体幹を回旋

以上の2動作を測定しました。

結果は、

立位および体幹屈曲位における左右の回旋はNSCLBP群で有意に少ない値とりました。

ROM:29-45%減

平均速度(AV):40-68%減

最大速度(MV):25-50%減

最大加速度(MA):20-37%減

でした。

腰椎回旋の非対称性は、

NSCLBP群の立位での左への回旋が少ない結果となりました。

ROM:35%減、

AV:66%減、

MV:19%減

でした。

今回の結果から、

NSCLBP群の体幹回線速度が有意に低下したことは、

疼痛への恐怖感が、

疼痛を避ける病理学的運動パターンへと移行し、

疼痛の誘発を避けるゆっくりとした動きとなったと考えられます。

過去の報告では、

疼痛がない症例は、

右回転よりも左回転で高い筋活動が認められると言われています。

このことから、

NSCLBP群では、

左回転有意の活動が減少し、

体幹の回旋が制限されていると考えられます。

本日は以上です。

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