大腿骨近位部骨折術後の高齢者は、バランス能力に問題があります。
バランス能力は、主要な転倒リスク一つであり、
バランス能力改善のためのリハビリは、
大腿骨近位部骨折術後の高齢者の(再)転倒予防に不可欠です。
大腿骨近位部骨折術後の多くのリハプログラムは、
主に関節可動域維持・改善、
荷重練習からの立位と歩行訓練、
股関節伸展・外転筋力に焦点をあてた筋力増強運動です。
しかし、
1年以上の長期継続した研究では、
従来のリハビリプログラムは、
再骨折率や転倒率の低下に際立った効果を認めていません。
したがって、
最近は、身体機能の強化も含めたバランストレーニングが
大腿骨近位部骨折術後症例に対して行われています。
また、
大腿骨近位部骨折術後症例に対して、
手厚く転倒予防プログラムの実施が可能な病棟にて術後管理を実施すると、
転倒率が減少することが明らかとなっています。
しかし、
このような報告は、
術後ある程度期間が経ってからの報告であり、
大腿骨近位部骨折術直後後に
バランストレーニングを実施した報告は多くはありません。
そこで、
術後2週間バランストレーニングを導入する研究が開始されています。
バランストレーニングは、
バランスディスクを用いることや、
認知運動タスクも取り入れているようです。
評価項目は、
バランス項目の指標の一つBBS:Berg balance scaleを主として、
転倒恐怖感等も計測しています。
評価時期は、
1週、3週、3ヶ月、6ヶ月です。
以上の研究が開始されているようです。
高齢者のバランス能力の問題は、
深刻な病的状態への移行や
死の原因と直接関連します。
過去の報告では、
バランス課題特有のトレーニングが
大腿骨近位部骨折術後の高齢者に対して、
身体機能・バランス・ADLの改善に
一般的な運動よりも優れていることを示唆されています。
また、
視覚的フィードバックを備えた機器の効果はすでに証明されており、
大腿骨近位部骨折術後症例に対しての研究も今後検討されているようです。
大腿骨近位部骨折術後の(再)転倒予防、
もちろん健常高齢者の転倒予防において
様々な機器の導入やアプローチが試みられています。
今回の記事の研究結果の報告は、
情報が入り次第またブログにアップします。
また、
新たな転倒予防、大腿骨近位部骨折術後のリハビリについても
アップしていきたいと思います。
本日は以上です。